ストゥーの考えるニットは、肌当たりが良く、軽く、着心地がいいもの。
ベーシックだけど、日々を少しだけユニークに過ごせるようなデザイン。
それは変わらないこと。
現在はストゥーと並行してニットに関するフリーランスのお仕事もしており、いろいろな素材やアイテムを扱っていた会社勤めのころに比べ、ニットのデザインだけに向き合う時間がだいぶ長くなりました。
ニットは表現がとても自由で、おもしろい編み方がたくさんありますが、衣類として見たときに、その自由さよりも重さの観点から編み方を選択するということがあります。
素材に対しても同様で、ブリティッシュウールやシェットランドウールは厳しい自然環境で育ったがゆえのたくましさに魅力を感じる好きな素材だけど、ストゥーの考える女性用衣類としては少しタフ過ぎるかなと思い、あまり選択してきませんでした。
そういったことを続けていくうちに少しずつ、自分自身の考える衣類という枠に囚われているように感じ、ニット本来の表現の自由さを狭めているような気がしていました。
私は年齢を重ねるごとに好きなことが変わってきました。
20代まではとにかく服が好きで、沢山買い、着飾り、さまざまな場所へ出かけていました。
30代からは服に加えて食や住環境などと、ライフスタイルの方に興味が広がり、出かけてばかりいた休日の過ごし方も、ゆっくりと部屋のインテリアを考えたり、料理をしたり、日々を心地よく過ごすためのメンテナンス時間として過ごすことが増えました。
ストゥーをスタートさせて4年目に入り、経験や年齢を重ねることで考え方がゆるやかに変化してゆき、ニットを衣類に限らず自分の好きなライフスタイルに取り入れることで、その可能性を広げられるのではないか……。せっかく独立したからには、もっと自由にチャレンジしてみたいと思うようになりました。
2021年秋冬シーズンから始まったストゥーは秋冬/春夏と年2回のコレクションを発表してきましたが、今後のコレクションは定期としては秋冬の1シーズン、
衣類だけでなくインテリアやアートピースだったり、ライフスタイルに関わるものをニットやその素材を通して製作し不定期で発表していきたいと思います。
今後、春夏のTokyo展は開催せず、直近としては11月にポップアップを予定しておりそこで新しい活動をドーンとお披露目できたらと考えていましたが、初夏に痛めてしまった腰の影響で色々なことが滞っており、まずはできる範囲で進めることに。
焦らずゆっくりと、2年くらいかけて今後の活動を形にして行けたらなぁと考えています。