ストゥーの制作を通して出る試編みのスワッチや、残った糸をどうにか活用できる方法はないのかと考え立ち上げたProject with。
一年ぶりとなる新たなプロジェクトは、紙に精通したグラフィックデザイナーである伊藤裕さんとの下げ札作り。
量産時に半端に残ってしまう糸を使用し、下げ札の紙を作っていただきました。
前回の “ Art ” project with Mayuko に活動のスタートを綴っていますので、そちらも併せてお読みいただけると嬉しいです。
今回のProject withで使用する材料は、量産後半端に残ってしまう糸とその糸を巻いてあるコーンと呼ばれる筒。
● 量産後半端に残ってしまう糸
糸巻きは、多くの場合1㎏単位で購入するもの。
工場さんで作って頂く製品は、量産で必要な製品の糸量と1㎏単位で購入しないといけない糸巻きがぴたり重なる事はなかなかありません。
傷等のトラブル等で糸が足りなくならないよう、ロス分を含んだ量を発注していただいています。
多くの場合、量産後に糸が余る事になります。
ストゥーでは、残った糸を買い取り家庭機編や手編みで使用したり、わたしの別のお仕事に活用したりしています。
●コーンと呼ばれる筒
ストゥーの家庭機編みは、工業用の糸を使用しニットを編んでいます。
工業糸はコーンと呼ばれる円錐型の紙でできた筒に糸が巻き付けられた状態で納品され、糸を使い切った後はこのコーンだけが残ります。
1本1㎏巻きの糸で500gのセーターを2枚編むと1本のコーンが出ることに。
ニッターさんや糸屋さんだとコーンを再利用し別の糸を巻き付けたりコーンの使い道が色々あるけれど、わたしの元では使い道がなくどんどん溜まる一方。
このプロジェクトが立ち上がったのは1年前。
作った紙の用途はどうしようか、どんな方法で作れるのか、販売は可能なのか云々
ゆっくりとコミュニケーションを重ね、段階ごとに決断をしながら形にしてゆきました。
最終的に目指したのは、混抄紙(こんしょうし)の下げ札。
混抄紙とは、廃材等の捨てられるはずの原料を再利用し紙の原料に混ぜ込んだ紙の事をいいます。
伊藤さんに、コーンを紙の原料とし量産後半端に残ってしまう糸を混ぜ込んだ、手漉きの混抄紙を作って頂きました。
何度も試作を繰り返して頂き、徐々に形になってゆきました。
素材と色ごとに分けた紙で出来上がった下げ札。Wool 100%,C/#Red のセーターには、セーターと同じく赤のウールを混ぜ込んだものに。
仕上げにシルクスクリーンでSUTOOHのロゴをプリントし、一枚一枚手作業でカットしました。
混ぜた素材や色によって紙の質感や色合いが異なるため、編み立てたセーターに下げ札を付けるととても面白く、そして感慨深いものがありました。
先日のTokyo展にご来場いただいたお客様へ、やっと形になったこのプロジェクトをお披露目させていただきました。
ご予約いただいたお客様やお取り扱いのショップ様へは秋冬のデリバリー時にこちらの下げ札を付けてお届けいたします。
本の栞にちょうど良いとのお声をいただきましたので、活用して頂けますととても嬉しいです。
伊藤さん渾身の紙づくりはライターである及川さんに綴っていただきます。
“ Paper ” project with Yutaka Ito Vol.2 に続きます。
Photography & Text by Sato Yoshida